メディアパトロール・ジャパン

ディアパトロール・ジャパン(MPJ)再開に当たり、幾つかのご報告をしなければならない。まず最初に、3カ月近くの休止を余儀なくされたことに関してだ。MPJは9月初旬から3カ月近くにわたって、トップページは勿論、全てのページが表示されないというトラブルに見舞われた。トラブル初期の段階で「原因不明のトラブルにより表示されません」という趣旨のメッセージを掲示した。いや、そのようなメッセージしか掲示できなかったということだった。商業サイトでなくても致命的なダメージである。

結論から先にお話ししよう。じつは、MPJが悪質なクラッカーに襲撃されていたのだ。驚くことに、MPJサイトのデータベースが完全に破壊されていた。今年3月にMPJを立ち上げた当初、セキュリティーには万全を期すということで基本設計が進められたはずだった。ところが、11月の復旧作業で分かったことは、堅固なセキュリティと製作者が言っていたMPJが極めて甘いセキュリティーだったということだ。9月中旬からの新しいスタートを目前にして、完全にMPJは足踏みをしてしまった。

残念ながら読者の方にはこれ以上の情報の開示は差し控えさせていただく。ただ、いずれにしても、どこから、どのような人物がサーバー内に侵入し、データベースを完全に破壊するという犯罪行為を行ったのか、すでにアタリは付き、特定されている。したがっ て、ここで私は、ここではっきりと犯行を行った卑劣な人物、もしくは勢力に警告を発しておく。

君たちの野蛮な発想や行為、非文明的、非文化的な暴挙は、必ず私たちの文明的かつ文化的な反撃によって、完膚なきまでに駆逐、掃討されるであろう。言論の自由表現の自由、そして思想の自由を認めない野蛮な勢力は、私たちの文化力によって必ずや殲滅される。

MPJ再開に当たり、読者の方に最初にお伝えしたいメッセージが、このように非情緒的で、色気のないものになってしまいお詫びしたいが、致し方ない。というのも、この60年以上、日本人が見ないふりをして現実逃避を行ってきたのは、自由は苛酷な戦いと環境の中でこそ得られるという真実だからである。言論の自由表現の自由、思想の自由、報道の自由などの<自由>とは、不自由との闘いの中からしか得られない。

それはまるで、平和は戦争の一つの形態であり、平和が断続的に続いているのではなく、じつは戦争が断続的に続いているという視点を日本人があまりに忘れてきたことと殆ど同義である。そんなことを、あれこれ考えさせられたのは、MPJのデータベースの全てを破壊、削除した愚劣な犯罪者のお陰なのかも知れない。

私たちが見ないふりをして来た現実とは、まさにそんな現実であり、そのこと故に、マッカーサー占領憲法がいまだ健在で、私たちは夢を喰うバクのように尖閣竹島北方領土、拉致、と何もできないまま夢想での解決を図るしかないのだ。

つまり、日本人全体が、主体性を発揮できないまま<夢としての平和>を、ただの呪文として唱えているのに過ぎないということだ。このままでは、日本人は、決して<現実としての平和>を見ることはできないのだ。

西村幸佑