キルギスの放牧者とその家族

1991年、独立。1993年に憲法を改正して正式国名を現行の Кыргыз Республикасы に改める。Kyrgyz Republic。通称 Kyrgyzstan。


日本語の表記はキルギス共和国。通称キルギス


クルグズ(キルギス)の語源は「кырк(クィールク)」が40の意味で、40の民族を指す。

中国人にかつて「гунны(グンヌィ、匈奴)」と呼ばれていた背景から、それらを合わせてクルグスとなったと言われている。 ちなみに、チュルク語系言語で40を意味する「クゥルク」に、娘や女の子を意味する「クゥズ」をあわせた「クゥルク・クゥズ」は、“40人の娘”という意味になり、中央アジアに広く伝えられるマゾネス伝承との関連をうかがわせる。


キルギスの遊牧文化は数千年の時をかけて育まれてきた。そして、遊牧民たちはその長年の経験から自然と調和する生き方を学んだ。なぜなら、天然資源の枯渇は彼らにとってコミュニティや生活様式の崩壊を意味するからだ。


遊牧社会の構造、習慣、手工芸の技術、伝統的な知識、日々の暮らしといった彼らの生活全般のルールは、季節や放牧地の状態に合わせた移動と移住に基づいて営まれてきた。そして、放牧地で育てる家畜は彼らの生活の糧である。



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遊牧民の移住は無秩序に行なわれていたわけではなく、むしろ厳密に取り決められたものだった。各家族が牧草地や耕地の場所を定め、複数の家族が村(アイル)を形成していた。アイルとアイルの関係、アイル内部の関係、もしくは人間と自然との関係は、すべて伝統知識に基づいて定められた慣習法(アダト)に従っていた。


キルギス遊牧民は、かつて牧草の状態や気候の変化を肌で感じる術を知っていた。古代において、彼らはすでに重要な気候の移行や自然の周期と関連した11-12年のサイクルに気付いており、このような周期が東洋の暦の基盤となった。



http://ourworld.unu.edu/jp/finding-a-place-to-feed-kyrgyz-shepherds-suffer-pasture-loss/